Sabaody Archipelago 01


シャボンディ諸島
32・33・34番グローブ 遊園地「シャボンディパーク」

はでんでん虫の先に声を荒げていた。

「ちょっと! なんで置いてっちゃうの!?
 キャプテン今どこに居るんですかねぇ!?」
『うるせぇな、通話越しに怒鳴るなよ愚妹』

でんでん虫は呆れた声を作ってみせる。
通話の相手はの兄でハートの海賊団船長、トラファルガー・ローだ。

いつもは挑発的で不敵な笑みを浮かべているが、
今、でんでん虫の真似するその表情は完全に呆れていた。
そのため息までもでんでん虫は真似をする。

『1回付き合ってジェットコースター乗ってやったし、
 ベポも置いてってやっただろ? それで我慢しろ』

「いや、それがベポに『もう付き合ってられない』って言われて逃げられまして・・・」
『は?・・・おい、お前何回付き合わせたんだ?』

でんでん虫の先の声が低く尖った。
は目線を幾度か彷徨わせたが、
でんでん虫越しのプレッシャーに耐えきれなくなってぼそりと言った。

「じゅ、15回・・・」

絶句したような気配がした。
同じ船に乗る船員のシャチが吹き出したような声もには聞こえる。

『信じらんねェ、そりゃ付き合いきれねェよ!』

爆笑するクルーをBGMにローは冷たく言い放った。

『馬鹿かお前は』
「だって、滅多に乗れないし、楽しいし、」

『遊びに来てるんじゃねェんだぞ。・・・ベポに後で謝っとけよ』
「うー・・・ごめんなさい。その点に関しては反省してます、お兄さま。
 で、合流しようかと思うんだけど、今人間屋に居るの?それともどっかで情報収集?」

の言葉にでんでん虫がちょっと考えるようなそぶりを見せる。

『人間屋だが、無理して来る必要は無い』
「・・・そっか」

は小さく笑みを浮かべる。
妹に悪趣味なオークションを見せるのは気が進まないのだろう。

「OK、気が向いたら行くけど、
 そうじゃなかったらいいや、シャボンディを観光してるよ」

『ああ、お前がその辺の海兵だの賞金稼ぎだのに
 どうこうされるとは思っちゃいないが、
 念のため、気をつけろよ』
「アイアイキャプテン!」

通話を切って、は腕を組んだ。
船に戻るのも味気ない、一人で遊園地で遊ぶ気にはなれない、
買い物をするのもちょっと違う。
小腹はすいているがガッツリ食べる気分では無い。

「よし、アイスの食べ比べやるか!」

シャボンディパークのアイスクリームショップは種類が多い。
まずがアイスクリームショップで頼んだのは
バニラベースのチョコチップアイスクリーム。
が内心で”お兄さまの帽子アイス”と呼んでいるそれを食べていると、
一際賑やかな声が響いた。

「よーし!じゃあお前ら!遊ぶぞー!!!」
「おおおおおー!!!」
「おっさん探す気ねェんじゃねェか!!!」

「あ、」

が振り返ると目立つ集団が騒いでいる。
シルクハットを被ったぬいぐるみみたいな生き物。
背の高いガイコツに、髪の毛のツンツンした男。
カワイイ女の子、喋る手袋のようなヒトデ。
そして笑顔で手を上げる麦わらの青年。

「・・・麦わらのルフィだ」
「ん?」

ルフィがその目をぱちくりと瞬いた。
のガラス玉のような目と、視線が重なる。

「なんだお前?おれのこと知ってるのか?」

「・・・知ってるよ。一回会ってみたいと思ってた」

はニィ、と口の端をつり上げた。

「私、あなたのファンだから」



「いやー、やっぱ何回乗ってもジェットコースター面白いや。
 あははははっ」
「お、お嬢さん、元気ですね・・・」

ジェットコースターの余韻でぐったりとしたブルックが
元気そうなを見て呟いた。
同じくジェットコースターを満喫していたルフィがに声をかける。

「おい!次行くぞ!次!」
「OK!麦わら!ケイミーちゃんとわたあめも行こう!」
「うん!」

にかっと笑ってケイミーの手を引くに、チョッパーが物申した。

「おい!おれのこと”わたあめ”って言うの止めろ!コノヤロー!」
「え?だって”わたあめ大好き”チョッパーなんでしょ?」
「不本意だ!それ不本意なんだよ!!!」

すっかりルフィらと意気投合しているを見てブルックは腕を組んだ。
は賞金稼ぎや敵と言う訳では無さそうだが、随分と人懐こい。
チョッパーが食って掛かるのを面白がって笑っている。

ついさきほど、行動を共にする事を決めたばかりだと言うのに。

『いやあ、実は兄貴達に置いてけぼり食らってさァ、
 ここで会ったのもなにかの縁なら、一緒に遊ばない?
 タダとは言わないよ。人探ししてるんでしょ?一緒に探してあげるから』

の提案にルフィは少し首を傾げたが、すぐに頷いた。

『良いぞ』
『やった!一応自己紹介しとくと、私は
 コレでも医者なの。注射が得意』

名乗ったかと思えば、すぐにハチからコーティング職人の特徴を聞き出し、
は周囲を見渡しながらも全力でルフィらと遊んでいる。

「なぁ、お前海賊じゃねェのか?」

ルフィがの羽織るパーカーの肩に海賊旗を見つけて聞いた。
歯を見せて笑うジョリーロジャー、
アルファベットのTのような、くさびのような形がぐるりと髑髏を囲んでいる。

「うん、海賊だよ。兄貴が船長やってる」
「へー・・・なんかお前、変な奴だな」
「ん?」
「変な奴!」

ししし!とルフィが笑った。
は一瞬きょとんとしたような顔をしたかと思ったが、
苦笑いのような表情を浮かべている。

「あなたに言われたく無いな。フツーはよその海賊って分かってたら遊ばないでしょ。
 騙されたり盗まれたりとか、そういう可能性考えないの?」
「え?おれたちに何かする気なのか?」

はルフィの疑問に首を振った。

「いいや、全然そんな気ないけど?」
「ならいいじゃねェか」

ルフィはあっけらかんと言い放ち、
の腕を掴んで観覧車に乗りたがった。

「これ乗るぞ!」
「・・・了解」



暫くは遊園地を満喫してた一行だが、
ケイミーの姿が見えなくなってから事態は一変してしまった。
パッパグがケイミーは攫われたのだと泣きわめいている。

は行動を共にしていたのだからと、
ルフィ、ハチ、パッパグとともにケイミーを探していた。
ハチに真面目な顔を作って言う。

「・・・人魚だったんだね、ケイミーちゃん。
 で、あなたは魚人だと。それじゃあこの界隈で遊ぶのは危なかったかもね」
「あんなに喜んでたんだ!遊園地に行ったことは良いじゃねェか!」

ルフィはに食って掛かる。
は腕を組んで眉を下げた。

「いや、それで攫われてるし・・・、攫う奴が一番悪いんだけど。
 この島、魚人と人魚に対する差別がまだ根強く残ってるのよ。
 彼らを魚の仲間だって言ってさ」
「差別・・・」

真剣な表情でなにか考え込んだルフィには吐き捨てるように言葉を続ける。

「勿論、医学的な見地から言っても馬鹿馬鹿しい偏見だけどね。
 同じ人間だって言うのに。じゃなきゃ輸血も出来ないって」
・・・悪い、麦わら。
 お前らの手助けするつもりが、迷惑を・・・」

ハチがうなだれると、ルフィが頭を振った。

「何言ってんだお前ら!
 お前らが悪いと思うことなんて一つもねェだろ!!
 3人とももうおれたちの友達なんだ!
 どんなことしたってケイミーは必ず助け出すから!!!
 もう泣くな!!!」

パッパグはその言葉に涙を拭う。
は何かが空中から近づいて来たことに気づいて咄嗟に銃を構えた。

「トビウオライダースだ!」
「よし乗ろ、・・・えええ!?」

ハチとパッパグが上手く運転手に捕まりトビウオに乗ったが
ルフィが乗ろうとしたトビウオの運転手が何故か眠りこけている。
そのまま取り残されたとルフィに、
コントロールを失ったトビウオが突っ込んで来た。

「麦わら!!」
「ムギ!」
「ごめん、先行ってくれ!」

ルフィは土煙のなか帽子を押さえた。
煙が収まるとトビウオは無事なようだが、運転手は昏倒していた。
ルフィは運転手をたたき起こそうと頬を張るが、一向に起きる様子が無い。

「おい!おっさん!起きろ!?」
「あー・・・味方だったの?
 やたら早く近づいて来るもんだから敵だと思って麻酔銃撃っちゃった」

その言葉に唖然として、ルフィがを怒鳴りつける。

「おめェ何やってんだよ?!」
「ドジった。ほんとごめん」

はさして悪びれた様子も無く、トビウオの様子を確認している。
無線からタイミングが良いのか悪いのか、ケイミーの居場所が伝達された。

『犯人は”ハウンドペッツ”!
 場所は一番グローブ、オークションハウスだ!!!』

は運転手の首からゴーグルを手に取ると、トビウオの運転席に座った。

「なるほどね。
 ——麦わら!後ろ乗ってくれない?場所分かるから行こう!」

の提案に、ルフィは意外そうな顔をする。

「お前運転できんのか?」
「多分ね。急ぐんでしょ?」

はぐるぐると自分の手をハンドルに包帯で結びつけると、
ルフィを後ろに乗せてトビウオを運転しはじめた。

水の中に入ると、目に見えて苦し気な顔をするに、
ルフィが心配そうな顔をする。

、お前大丈夫か!?」
「実は悪魔の実の能力者なんであんまり大丈夫じゃないけど!
 助走がいるなら仕方ないでしょ!?」

そしてそのままトビウオに向けて励ますような声をかける。

「頑張ってよトビウオ君!」

は水面から飛び出すとぐっとハンドルを握り直した。

「すごい速い!面白いなこれ・・・!」
「おい、!遊びじゃねェんだぞ!」
「分かってるって!」

風を切り、ルフィを乗せては猛スピードのトビウオを操縦している。
その唇には笑みが浮かんでいた。
とても初めて運転したとは思えない腕前だ。
ルフィもひとまず安堵したようである。

「ん?あの緑頭麦わらのとこの奴じゃない?」
「ホントだ!ゾロ!!!」

目の端に居た麦わらの一味の剣士の首根っこを掴んで、
ルフィはトビウオにゾロを招いた。

「オイ、何すんだよルフィ!・・・その女誰だ!?」

ゾロは事態を飲み込み切れず問いかけるも、
もルフィも答えない。

「あ、見えて来たよオークションハウス」
「よし、突っ込め!!!」
「話を聞け!!!」

はルフィの言葉に逡巡すると、苛立っているゾロに顔を向けた。

「ねぇ、ゾロだっけ、あなた剣士なんでしょ。斬撃飛ばせたりしない?」
「何だ薮から棒に」
「このまま突っ込むとトビウオが可哀想だからあの壁壊してくれないかな?」

はハンドルを硬く握りながら言う。
ゾロは軽く眉を上げた。

「なんでおれがテメェの指図をうけなきゃならねェんだよ」
「ウチの兄貴はあの建物くらい30秒でバラッバラにするけどあなた出来ないの?
 億越えのくせに?」

の物言いにカチンときたらしいゾロはルフィに目を向ける。
ルフィは笑って頷いた。

「お望み通り見せてやるよ・・・」

ゾロはすらりと刀を抜いた。
迫り来る壁にも怯むことなく、技を放つ。

「”三十六煩悩鳳”!!!」

ゾロの剣戟が決まり、音を立ててオークションハウスの壁が崩れさる。
は口笛を吹いた。

「さっすが億越え。かっこいいねぇ!」

が手放しで褒めると、何故かルフィが胸を張った。

「ししし!だろ?」
「るっせぇ!前見ろ、前!」

マイペースな2人に、ゾロは妙な面映さを覚えつつに命令する。

「言われなくても!しっかり捕まっときなよ!」

は不敵な笑みを浮かべてみせた。
騒然とするオークション会場の中、
トビウオを着地させて、はゴーグルを上げた。

「ハイ、到着!あー、面白かった!
 ケイミーちゃんすぐそこにいるよ。
 いいタイミングだったんじゃない?」
「ホントか!?」

一目散にケイミーの元へ向かうルフィを見送るを、視線が刺した。
ハッとして振り返ると、表情の抜け落ちたローが足を組んでを見ている。
ベポはあわあわしている。シャチとペンギンは『ご愁傷様』という顔をしていた。

「うっわ・・・」

は頬を引きつらせた。半笑いで軽く手を振る。
当然、それに返してくれるのはベポくらいのものである。

「これはちょっとご機嫌取らないとまずいな・・・」



人間屋のステージ裏、
ドフラミンゴとの通話を終え、うなだれたディスコは気配を感じて振り返る。
女がアタッシュケースを持って立っていた。

「あ、見つかっちゃった」
「お前、・・・それはウチの店の金だぞ!?」
「うん。分かってるよ。貰って行くからよろしく」

ディスコは唇を噛んで女を睨み上げた。

「この店のバックに誰が着いてんのか分かってて言ってんだろうなァ!?」

女は薄い笑みを浮かべた。

「はは、笑える。あいつがそんな甲斐性のある奴なら
 天竜人からもあなたを守ってくれたんじゃない?」
「・・・!?」

ディスコは息を飲む。女は銃を構えていた。

「死にはしないだけマシだと思ってよ。
 おやすみなさい」



「あっははは!!!」

ステージ裏からアタッシュケースを持ってローの横に座ると、
ちょうどルフィが思い切り天竜人を殴ったところだった。

は一度目を丸くするも、やがて声を上げて笑っていた。
ローも面白そうに口の端を上げている。

天竜人の護衛達を相手にする麦わらの一味を見物しながら、
ローはルフィに話しかけた。

「愚妹が世話になったな。麦わら屋」
「何だお前・・・何だそのクマ、ん??」

ローの横に座るが手を振った。

「こちら私の兄貴。トラファルガー・ローって言うの。
 ところでさっき麦わらが話してた海軍だけど、
 さっき見たらもう囲まれてたよ」
「えぇ!?本当か!?」

ルフィが目を瞬くと、ローがの言葉を引き継ぐように言う。

「この諸島に『本部』の駐屯所があるからな。
 誰を捕まえたかったのかは知らねェが、
 まさか天竜人がぶっ飛ばされる事態になるとは思わなかっただろう」

ローとの顔を見て、戦闘中だったロビンが声色を変える。

「トラファルガー兄妹・・・!ルフィ、彼らは海賊よ」
「ああ、知ってる。から聞いた。クマも海賊か?」
「・・・随分気安いな?なァ、?」

ローに睨まれては手を上げた。

「だって長いでしょ、名字。”トラファルガー”。
 名前で呼ばせたくらいで死にはしないのに、過保護だなぁ、もう」

「黙れ愚妹。お前は危機感が足りない。
 大体オークションハウスの壁をぶち破って
 コイツらと現れるとか何考えてるんだ?」

「不可抗力って奴だよ・・・ところでキャプテン、なんか大物が来そうなんだけど」

緊張感の無い会話を繰り広げ出した兄妹だったが、
が顔つきを真面目なものに変えるとローも視線をステージへと移した。

瞬間、迸る様に覇気が肌を伝う。
覇気の洗礼を受けても意識を保っていられたのは超新星の一味くらいのものだった。
その覇気の主を見て、大半の人間が唖然としていた。

「シルバーズ・レイリー・・・!」
「・・・ああ。ここで出会うとは思ってなかったな」

こめかみに汗を浮かべるキッド海賊団と、ハートの海賊団の数名に、
レイリーは愛想良く笑って見せる。

「この島じゃコーティング屋の”レイさん”で通っている・・・。
 下手にその名を呼んでくれるな。
 もはや老兵・・・平穏に暮らしたいのだよ」

その言葉に、は口の端を引きつらせた。

「良く言うよ。全然現役じゃないの・・・」
「ふふ」

レイリーは面白そうに笑うばかりだ。
外からは海軍からの放送が入る。

『犯人は速やかにロズワード一家を解放しなさい!!
 直『大将』が到着する。早々に降伏することをすすめる!!
 どうなっても知らんぞ!!!ルーキー共!!』

「おれ達は巻き込まれるどころか、完全に共犯者扱いだな」

ローが笑いながら言うと、同じ様に見物していたキッドも
腕を組んで言う。

「”麦わらのルフィ”のイカレ具合を見れたんだ。
 文句はねェが・・・、『大将』と今ぶつかるのはゴメンだ」

レイリーはもう覇気を使う気は無いらしい。
手助けしないと宣言すると、キッドが笑いながら手を振った。

「長引くだけ兵が増える。先に行かせてもらうぞ
 ・・・もののついでだ、お前ら助けてやるよ!
 表の掃除はしといてやるから安心しな」

あからさまに苛立った顔をするローを見て、
はシャチとペンギンと顔を見合わせた。
ベポはいち早く不機嫌を察してローに鬼哭を渡している。

先陣を切った船長3人に続いてゆっくりと入り口まで足を進めると
すでに海兵も大砲もめちゃくちゃになった後だった。
シャチが呆れた様に声を上げる。

「あーあー、暴れちゃって船長・・・」
「これは海軍、数でなんとかする戦法に切り替えるだろうね。
 速いとこ逃げないと不味いかも・・・ならちょっと挨拶してこようかな」

はそう言ってルフィのもとへと足を運んだ。

「麦わら!」
!どうした?」

ルフィは目を瞬いて不思議そうに首を傾げた。
はにぃ、と口の端をつり上げて笑う。

 やっぱりそうだ。
 運命が絞られていく感覚がある。
 今、私の目の前に居る、永遠の少年を神様が導いてるからだってわかる。
 葉脈のような選択肢の中でまっすぐど真ん中を選んでる。
 多分彼が持ってるんだ。私の持っていなかった、
 運命の糸車も、葉脈を書き換える力さえ。だから。

「あなた見てるとドキドキする。今日会えて良かった!」
「!?」

誰かが息を飲んだ。
ローが振り返りを怒鳴りつける。

「おい、、どういう意味だ、それは!?」
「ん?言葉通りの意味だけど?」

は首を傾げてローに言う。
ローはこめかみに青筋を浮かべていた。
シャチとペンギンは恐らくが船に戻ったら、
ローにかなりこっぴどく怒られるだろうと察して思わず手を合わせていた。

そんなことも露知らず、はルフィに手を振った。

「じゃあね、麦わら!また遊ぼうよ。
 今度はどういう遊び方かはわかんないけど!」

足取りも軽く、ローの元へと向かうを見送った。
ルフィを狙う海兵に、サンジの蹴りが炸裂する。

「お、サンジ!!」

はっとしてサンジに声をかけたルフィに、
サンジがくってかかった。

「ルフィ!テメェ、いつの間にあんなキュートなお姉さんと
 お近づきになったんだ、ええ!?」
「んん?遊園地で遊んだだけだぞ」
「なんだとォ!?」

サンジがますますその形相を険しくするが、ルフィは腕を組んで首を傾げた。

「・・・あいつ良い奴だったけど、ちょっと変な感じするんだよなァ」
「あァ?!・・・ルフィ?」

ルフィはが姿を消した方向を見て、尚も首を傾げている。
サンジはその様子に驚き、何か言おうか迷ったが、海兵達も居るのだ。

ひとまず逃げることを考えろと、トビウオライダースへと目を向けさせたのだった。