灯火問答

が鬼に遭った日の夜。

血塗れになって帰ってきた息子を心配する父親、明峰に
玄関先で顔を合わせるや否や、は淡々と鬼と出遭った経緯を述べ、
医者になるのを止めて鬼殺隊士となり、鬼退治を生業にしたいと告げた。

明峰は急な申し出に唖然としていたが、すぐに険しい顔で息子を睨む。

『理由を言いなさい』
『医者よりも鬼殺隊士の方が自分に向いていると思いました』

『違うだろう? 私はお前がこれまで日夜勉学に励んでいたことを知っている。
 そのお前が、簡単に医者になることを諦めるわけがない。
 “鬼”を斬った時になにがあった? 順を追って説明しなさい』

『今説明した以上のことは言いません』

それからは頑なに、何を聞かれても「言わない」の一点張りで、
とにかく鬼殺を生業にする。医者にはならないと繰り返していると、
気づけば頬を張られていた。

父親に殴られたのはそれが初めてだったと思う。

明峰は躾に当たって、とにかくこんこんと理屈を講じる人だったので、
「ああ、殴られるってことはやっぱりこれは余程のことなんだろうな」と
自身は頬を押さえて何故だか冷静な頭で考えていた。

そうして明峰の顔を見ると、見たこともないような苦しげな顔で、
息子を打った手を握りしめ、嘆くように首を垂れた。

――殴ったことを悔やんでいる。

それに気がついた瞬間、は胃の腑からせり上がるような罪悪感に襲われて
床に額を擦り付けんばかりに平伏した。

『お願いします。父さん。勘当してくれて構わない。
 俺は医者にはなれません』

、』
『納得できないとは思いますが、俺はこれ以上何も言えません。
 言いたくない……! 我儘だとは分かってる。許してください、お願いします……!』

その様があまりに切羽詰まっていたからか、明峰は明日また話し合おうと言い、
とにかく着替えて頰を冷やすようにへ告げた。
最後に「殴って悪かった」と付け加えて。

立ち去る明峰を平伏したまま見送って、は床に爪を立てる。
血で汚れた袖口が目に入り、ますます惨めな気持ちになった。
どうしてこんなにも違うのだろうと思う。
同じ血が通っていても父は当然のように暴力を厭うが、自身はそうではない。

いつまでもうずくまっているわけにもいかないので、
よろめくような足取りで、頰を冷やすため洗面所に向かう。
顔を洗って前を向くと、疲れた顔の自分と目が合った。

鏡に映る顔は父親によく似ている。
左目の下の黒子と、加齢で刻まれた皺やなんかを除けば、殆ど同じ顔だ。

だから、鏡を見るたび思うことがある。

人の性根は顔に出ると言うが、では、ほとんど同じ造りの顔があったとして、
中身が全く異なれば、一つは“悪く”、もう一つは“善く”見えることがあるだろうか。
もしも“悪いもの”が精一杯うわべを取り繕えば、“善いもの”に近づくことはできるだろうか。

鏡というのは時々地獄だ。

上っ面が似ているからこそ、差が許せない。
見目ばかり取り繕う、己の浅ましさを突きつけられて嫌になることもしばしば。

それでも。

は、敬愛する父親の顔に泥を塗るわけにはいかないのだ。
親不孝だと分かっていても。



非番の日を見繕い、煉獄杏寿郎はを稽古場に呼び出した。
夕暮れの室内にはすでにロウソクが灯してある。
長丁場を見越してのことだ。

先の任務での怪我が治ってから初めての稽古であるが、
杏寿郎は座して横に竹刀を置いたまま、に座るよう促した。

「具合はどうだ?」
「もう全然大丈夫ですよ。いつでも復帰できますし、
 稽古をつけていただければと思います」
「それは重畳! しかし稽古の前に、君には聞かねばならないことがある」

杏寿郎は静かにに尋ねた。
その所作は落ち着いていながらも、気迫ばかりは鬼殺に臨む隊士のそれだ。

。君はなぜそうも、死にたがっているのだ?」

「……いきなり穏やかじゃありませんね」

は否定も肯定もしない。
杏寿郎はさらに続ける。

「先日の任務の後、お館様に手紙を出して、君の入隊の経緯を詳しく聞いた。
 君は槍の稽古の帰りに鬼に襲われ、隊士が来るまでの間これを蹂躙している。
 その経緯とこれまでの言動を振り返ると、もしやと思うことがあった」

暴力が嫌いだと言う言葉。
鬼に対する執拗な拷問。
自分の命を度外視した鬼殺。
医者としての技能を持ちながらも隊士としての道を選んだ事実。

それらを複合して考えると、浮かび上がるものがある。

「まず前提として、君が執拗に鬼を嬲るのは、君の生来の気質ゆえだ。
 ……そう考えるとしっくりくる。
 君はもともと、惨たらしい気質の持ち主なのだろう?」

「ご明察」

ニッ、とは口の端をつり上げる。
弓なりに細めた目といい、その笑みは間違いなく凶相だった。

「昔っからそうなんですよ。別に鬼に限った話でもありません。
 人がのたうち回って苦しんだり、悲鳴をあげたり、
 泣き喚いてる様を見るのが好きなんです。
 ……まぁ、それが褒められたもんじゃないことはわかってますし、
 理不尽に人間を虐げたこともないですが」

自らの歪みを簡単に肯定した後、冷ややかな目で問いかけた。

「煉獄さん、あなたさぁ、廃寺で俺の鬼殺を見たとき
 俺のことを『鬼のようだ』と思ったでしょう?」

図星である。
黙った杏寿郎を、はさして気にした様子もない。

「鬼が死んだのにしばらく刀を収めなかったし、
 いつでも振るえるようにしてましたよね? 察しますよこっちだって。
 けど、あの時撫で斬りにしてくれたって、別に俺は構わなかった」

「なんだと?」

思わず眉根を寄せて聞き返した杏寿郎へ、
は半ば吐き捨てるように言った。

「俺はきっと、人より理性の紐が緩いし、箍がバカになってんだ。
 自分ではいかんともしがたい、血が沸騰するような衝動が沸くんです。
 槍を振らなきゃ気が済まない。
 いっぺん他人の血で血みどろにならないと収まりもしない……似てるよな」

自分自身をせせら笑うと、はこれ見よがしに自らの首を撫でた。

「俺は鬼と大差ない。あるいはもっと始末に負えない。
 なんたって塵にならねェから面倒だよな、後処理が。
 ご迷惑とは存じますが、介錯頂けるんだったらありがたいですね」

杏寿郎は苦々しさを隠そうともせずに呟く。
 
「……君は、俺に殺されるのもためらわないのだな」

「そりゃそうでしょう。鬼を殺すのが生業の、柱のあなたが斬ると決めたことに、
 鬼畜の俺がなんの文句を言えましょうか」

「自分の命を投げやりに、他人任せにするんじゃない」

低く唸るような声でぴしゃりと言った。
しかしは黙ったものの堪えた様子はなく、鉄壁の笑みを崩さない。

杏寿郎は一度息を吐く。
ここで怒るのは得策ではない。の狙いはそれである。
杏寿郎を怒らせて冷静さを削ぎ、判断力を狂わせ、本心をどこまでも隠すつもりだ。

――そうはいかない。

返す刀で踏み込んだ。

「そもそも……君は父君を置いて身勝手に死ぬつもりか?」

その時の、の虚をつかれたような顔に、
杏寿郎は確かな手応えを感じていた。

「……ええ、はい。そのつもりです」

認めたに、杏寿郎は畳み掛けるように疑問を呈す。

「なぜだ? 確かに、鬼殺隊士の面々は命を賭して任務に当たる。
 だが、皆死ぬ覚悟はできていても、決して死にたいわけではない。
 君のように破れかぶれになっているわけではない」

「同じことでは?」
「全く違う」

杏寿郎はを見据え、厳しく言った。

「鬼殺隊の、日常的に鬼殺のための訓練を受けた人間が鬼に喰われることは
 鬼をいたずらに強くすることにつながるからだ」
「……ははははは!」

高らかに声を上げて笑ったはくつくつと肩を震わせると、
納得したように何度も肯く。

「なるほど、なるほど。自殺は後進の迷惑になりかねないから止せと。
 いやー、やっぱり煉獄さん、すごく合理的だな。
 そうですね、同意見です」

微笑むは腕を組み、片眉を上げて杏寿郎を見た。

「でも、そこまで言うからにはわかってるでしょ?
 だからこそ、俺は相討ち狙いなんですよ」

「……そうだな。君は鍛錬に熱心だ。鬼殺で手を抜いている様子もない。
 鬼を極めて残酷に殺すこと、それに時間を割くこと、
 挑発的な言動以外に問題はない」

「それ、めちゃくちゃ問題あるってことじゃ?」
「故に、不可思議だ」
「……煉獄さんってたまに俺の言うこと無視しますよね。
 いいですけど。はい。なにが不思議なんですか?」 

突っ込んだのを無視されては肩を落としつつ、逸らせなかった本題を求めた。

「君の医術の腕前は素人目にも優れているように見える。
 元は医者としての将来を嘱望されていたのだろう。しかし君はその道を捨てた」

の組んだ腕に僅か、力が篭る。

「君が鬼殺の道を選び、あまつさえ死にたいと思った理由は、なんだ?」

「え~……『そっちの方が向いてると思ったから?』」
「それは理由の一つではあるが、核心とは程遠いものだろう」
「……」

茶化して見せたに、杏寿郎は首を横に振った。
それからがすぐに反論しなかったこと、これまでの問答を鑑みるに、
杏寿郎の推察はおそらく、正しいのだと思う。
しかしそれはの口から聞かねばならないと、杏寿郎はさらに追求する。

「君は暴力を嫌悪していると言ったな? 
 それも、まるっきり嘘と言うわけではないはずだ」
「……やけに断定するんですね。確かにそれ言ったのは俺ですが、」

「君とはまだ付き合いが浅いが、
 案外、君はみだりに嘘を吐かないし、筋の通った人物だとも思う。
 それで概ねの理由が推察できる」

すっかり黙り込んだを前に、杏寿郎は鷹揚に言い放った。

「だが推察は推察だ! 君の口から聞かないことには意味がない!」

は深々とため息を溢すと、それまで背筋を伸ばしていたのにだらしなく肩を落とし、
下から睨めつけるように杏寿郎を見上げる。

「あんた、結構いい性格してるぜ。
 分かってて俺に言わせよう、吐かせようって言うんだな?」
「その通り!」

カラッとした様子で肯定されて、は毒気を抜かれたようだった。
目を丸くしたと思ったら、諦めたように息を吐く。

「わかったよ、わかりましたよ。どこにでもあるつまらない身の上話だし、
 そこそこ長くなりますがよろしいですね?」
「俺が聞いたのだ! 望むところ!」

威勢よく頷いた杏寿郎には硬く目を瞑ると、やがて口を開いた。

「母は俺を産んで肥立が悪くて死にました」

半分独白のように、そんな言葉から始まった。



「父は勤めてた大学病院を辞めて町医者になりましたけど、
 本当は町医者の器に収まりきるような人じゃないんです。
 明峰は名医の中の名医です。
 多くの人間の命を救ってきた……神様みたいな人なんだ」

「今だって勉強会だ、難しい手術だで父の意見を仰ぎたいと
 大きな病院から声が掛かることもあるんですよ。
 そんな人がなんで小さな診療所の医者なんかやってるのかって、
 全部、俺のためなんです」

「母の今際を仕事で看取れなかったのが、よほど堪えたんだと思います。
 俺のことは、ちゃんと見ることに決めたんだと……。
 だから時間に融通のきく町医者になったんだと、人づてに、聞きました」

「……そんなことを聞かされたらね。やっぱり、応えたくなるでしょ」 

「父は『どうしても医者になって欲しいとは思ってない』と口では言ってましたけど、
 俺が本腰入れて医者になりたい、医学の勉強をしたいと言ったら、喜んでくれました。
 高い学費も躊躇なく払ってくれた。俺も勉強は嫌いじゃなかった。
 学校は、楽しかったな」

「……だけど俺は鬼畜だ。鬼畜生だ。人の苦痛を愉しむ悪癖を持ってる。
 暴力が嫌いというのは半分は本当で半分は嘘です。
 暴力は愉しい。誰かを屈服させるのも傷つけるのも自由自在で心底愉快だ」

「そうやって、暴力を振るうのを愉しいと思う自分を含めて、
 理性を失って力に酔っ払ってるような奴が、反吐が出るほど嫌いなんです。
 短絡的で浅ましく、見苦しいこと極まりない。
 どれだけ醜いことなのか、俺が一番知ってるんだ」

「これでも、昔は本当に我慢できてたんですよ。
 人よりそんな、加虐衝動とも言うのかな。
 そういう欲が強いことも自覚してました。自分の頭がおかしいのもわかってた。
 こんな俺が医者になるべきかどうか、何度も悩んだ」

「でもね、俺はバカだったから。
 表に出さなければ心で何を思っても自由でしょう、と。
 腕さえあれば、父と同じように人を助けられるし、それでいいと思ってたんです。 
 完璧に隠し通すことができればいい。俺なら隠し通せる。我慢できる。
 そう、自惚れていました。……あの日、鬼に遭うまでは」



の目が杏寿郎を見やる。
無表情のまま紡がれた言葉は恐しく静かに稽古場へ響いた。

「たった一回、鬼の胴を薙ぎ払い、はらわたをぶち撒けて 
 悲鳴を聞いた瞬間に全部の箍が外れました」

それが何を意味するか、杏寿郎は理解していた。

もともと備わっていたの加虐衝動と悪癖は、
鬼を斬ったその時に、我慢の利かない代物になったのだ。
そしてそれは、の敬愛する父親とはあまりにもかけ離れたあり方だった。

「……煉獄さん、ダメでしょう。こんな人間が医者になったら」

は諦観の滲んだ、苦い笑みを見せる。

「患者の、人の命を預かるんですよ。
 病に苦しむ患者はね、切らずに済むならそうしたい腹を、
 藁にもすがる思いで他人に切らせるんだ。
 医者はその思いに応えられなくてはダメなんだ。
 他の医者がどうなのかは知らないが、明峰の息子の俺は、
 そういう医者になりたいと、なるべきだと、思ってたのに、」

震える声が自己嫌悪で低く沈んだ。
膝に置いた手が、強く握られ白くなる。

「何が『表に出さなければいい』? 何が『隠し通せる』だ。何が『我慢』だよ。
 最初から医者になるべき人間じゃなかったんだ、俺は。
 気づくべきだったのに気づかなかった。……見ないふりをした」

は顔を上げて挑むように言う。

「医者にはなれずとも鬼殺隊に入って鬼を退治すれば大勢の命を守って救える。
 悪癖を鬼に向ければ少なくとも人は傷つけずに済む。
 鬼退治で死ねれば万々歳だ。鬼畜の俺が人を助けて死ねるんだから。
 ……父にも迷惑をかけなくていい。こんな理想的な死に方がありますか」

杏寿郎はすぐには是非を返せない。

しかしは杏寿郎の反応などどうでも良さそうに、淡々と言葉を続ける。

「……学校を辞めて鬼殺隊に入ると言ったら父は怒りましたし、
 いざ入隊するとなった時は医学を勉強し続けることを条件にされました。
 それを俺が全部飲んだ上で、父は、蝶屋敷の側に医院を移転した。 
 俺が独り立ちするまでは、……ちゃんと見ているからと言って」

どこまでも父親は優しく、を見守ろうとした。
絶対に打ち明けられない悪癖を抱えた息子にとって、背負いきれない重荷となるほど。
杏寿郎はかける言葉を失ったまま、を見やる。

やるせなさと自己嫌悪に塗れて疲弊した様子で、はぽつりと呟いた。

「……いつなんでしょうね、俺が認めてもらえるのは。
 そもそも俺は、父に認めてもらえるような人間には一生、なれないのにね」

の、俯いて自嘲する顔には重なるものがあった。

それは剣才に恵まれなかったことに苦しむ弟の顔であったか。
父に認められることはないと薄々悟りつつある自分自身の顔であったか。
それとも才なき者は何者にもなれない、意味などないと諦めている父の顔であったか。

杏寿郎は気づけば声を張り上げていた。

「そんなことはない!!!」

空を裂くような叫びである。
ハッと顔を上げたに、杏寿郎は頭を横に振った。

「俺は、そんなことはないと思う!
 俺は君の父君ではないが……!」

杏寿郎はこみ上げてくるものを必死にまとめて言葉にした。
そうしなければいけないと思った。

「少なくとも、君が、悪癖を理由に医者としての道を進むのを断念しても!
 どうにか人を傷つけまいと模索し、人を助けたいと願う志は、
 鬼が持ち得ぬ人の美点だ! 君は鬼などではない!」

は人を傷つけたくないから鬼を斬ることを選んだ。
そして自身の悪癖を心の底から嫌悪している。

自らの悪性と向き合って調伏しようと苦しみもがくのは、が人間だからだ。
人間でありたいと思っているからだ。

それを杏寿郎は否定したくなかった。

「君が人でありたいと思う限り、君は人だ!!」

の目の中にあった、金色の炎がぐらりと揺れる。

「君に備わった悪癖が、治せるかどうかは分からない!
 だが少しずつでも律していくことはできるはずだ!できなくても努めるべきだ!
 悪癖との付き合い方を考えてみよう! 共に!」

杏寿郎はの肩を叩き、朗々と声を上げた。

「これからは俺がついている!!
 もしも君が自分を律しきれず、人を害し、傷つけようとした時には、
 必ず俺が止めてやる!!!」

約束する、と杏寿郎ははっきり頷いて見せる。

「だから!! 自暴自棄になるな!! 
 目一杯努めて生きてみるんだ! 死ぬのはその後でもいいだろう!」

口を噤んでいたは、そのまましばらく呆然としていたが、
やがて口角を緩め、力なく微笑んだ。

「はー……素面であなたカッコいいこと言うんですね。俺が女だったら惚れてるよ」
「はっはっは! 遠慮する!!!」

思い切り笑い飛ばした杏寿郎にはわざとらしく眉を上げる。

「え? なに真に受けてるんですか? 
 俺は“だったら”の話。“もしも”の話をしています。
 ……ていうか自分で言っといて何ですが、
 俺みたいな女、想像すると結構嫌ですね! 怖いでしょ! あははっ!」

「むむ……っ!」

相変わらず冗談なのか本気なのかわからない、
人を喰ったような言動に杏寿郎は難しい顔をした。
はその様を面白がるように目を細め、やがて改まって背筋を伸ばす。

「煉獄さん、俺は知っての通りの未熟者です。
 きっとご面倒をおかけしますが、どうか、よろしくお願いいたします」
「……うむ! 任された!」

深々と頭を下げたを見て、杏寿郎はようやく、
が本当に弟子となったような気がすると、胸を張って頷いたのだった。