長男と次男 不機嫌な集い


インペルダウン、地下6階「LEVEL6」“無限地獄”
ドフラミンゴの独房の前で、1人の男と看守2人が足を止めた。
ドフラミンゴはやって来た男の顔を眺め、サングラスの奥で目を眇める。

瀟洒なスーツを身に纏った男は愉快そうにドフラミンゴを見下ろしていた。

ドフラミンゴとさほど視線が変わらない長身、撫で付けた金髪。
薄暗いインペルダウンでは茶色く見えるが、
日に当たれば赤く見えるのだろう目が細められている。

ドンキホーテ・、今はどこぞの商会に婿入りしてとなった
ドフラミンゴの弟は、その外見がドフラミンゴとよく似ていた。
昔は双子と間違えられたこともあるが、実際にはの方が1つ下である。

は揶揄うように声をかけた。

「よォ、しくじったな、クソ兄貴」
「今更何しに来た、愚弟が」

は向けられる悪態に喉を鳴らすように笑うと、
鉄格子越しにドフラミンゴと同じ目線になるよう、しゃがみこんだ。

「フフフフフッ、そう邪険にするなよ、
 暇してると思って高い金払って来てやったんだぜ。
 ところで、今日が何日かはわかるか?」
「さァ・・・、生憎退屈が刑罰なもんでな」

はドフラミンゴに新聞を放って渡した。
ドフラミンゴは日付を見て、眉を顰める。

「7月15日。・・・何のつもりだ、
「そう。お察しいただけたと思うが、
 今日は我らが愛すべき弟の誕生日だ。ドフラミンゴ」

ドフラミンゴの不機嫌をよそに、は口の端を吊り上げ、笑う。
その手には監獄には似つかわしくない白い箱が握られていた。

「ケーキを食おうぜ。チョコレートプレートは弟にやるから、互いにナシでな」