『世界政経新聞号外インタビュー記事』


 ドフラミンゴ政権が崩壊し、ドレスローザはリク王家が統治する国に戻った。
かつては海賊の統治する強国として一世を風靡したドレスローザ。
王下七武海ドフラミンゴの武力によって平和が保たれ、市民は豊かな生活を送っていたことも事実である。

それだけに薬物、武器の密売が横行していたというニュースは世間に多大なショックを与えた。
今回は貿易業で成功し、世界各地に支店を持つ”商人の中の商人”氏に、
ドフラミンゴ政権崩壊後の世間に与える影響、
そして、親族から見たドフラミンゴについて話を聞くことができた。

■ドフラミンゴ政権崩壊は世間にどのような影響を与えると思いますか?

近年のドレスローザは飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
聞けば武器の流通、薬物の製造販売などにも関わっていたとのことですから、
現在戦争中の国、あるいはその準備を行っていた国などは影響を受けると思います。

ドフラミンゴと取引を行っていた相手も今頃は証拠隠滅に必死なのではないでしょうか。
ドフラミンゴに代わる新たな仲介人が現れるとも限りませんからね。
海軍には頑張っていただきたいものです。

リク王家に政権を移したドレスローザも煽りを食らいますよ。
今まで通りの生活を続けるのは無理でしょう。
幸いドレスローザは花や海産物の生産が盛んですから、そちらに一層力を入れつつ、
新たに産業を確立する必要があると思いますよ。

例えば、製薬ですとか、原料となる植物の栽培なども適しているのでは?

■今まで通りの生活が難しいとは?

ドフラミンゴは奴隷制度を導入していましたからね。
”小人”と”オモチャ”のことです。
本来人間が担う労働を彼らにだけ負担させていましたし、
対価としての賃金も格安でした。

リク王家は今後奴隷制度を継続する予定はないとのことでしたので、
小売業は人件費の捻出に頭を悩ませることになるでしょう。
物価の上昇等が懸念されます。

■なるほど。ところで商会は
 ドンキホーテ・ファミリーと大変密な取引を行っていたとか。


ええ、まぁ、ごく普通に。私はドフラミンゴの弟ですからね。
ドフラミンゴは兄として私に便宜を図ってやろうと、そういう気持ちがあったのかもしれません。
もちろん、私は密売に関わってはいませんでした。
海軍からも査察が入りましたが、彼らの欲しがるような証拠は見つからなかったようです。
していないのだから当然ですけれど。
私がドレスローザで扱っていたのは、海産物と香辛料が主でした。
ドレスローザのドレスエビは特に美味しいですよ。一度食べてみるといい。お勧めします。

■ドフラミンゴの弟であることを、堂々とおっしゃるのですね。

意外ですか? ですが隠し立てることでもないですし、調べればわかることです。
10年前にに婿入りしたので姓は変わっていますが、
弟である事実は変えようもないことだ。

■弟のあなたから見て、ドフラミンゴはどのような人物だったのですか?
 10年前リク王家から王位を簒奪した時はどのように思っていたのですか?


お恥ずかしい話なのですが、あまり縁が深い兄弟ではなかったんですよ。
私が9歳の時に、ドフラミンゴとは一度別れましてね。再会した時は私が20代半ばだったか。
その頃ドフラミンゴはすでに海賊で・・・、止めたんですがね、止まるような男ではなかった。
結局、海賊をやめろやめないで喧嘩別れに終わりましたね。
それからドフラミンゴがドレスローザに君臨するまで、付き合いはありませんでした。

ドレスローザの王位を簒奪した件ですが、もちろん驚きましたとも。
ただ、報道にもあった通り、私も世間同様リク王が狂乱したというのを鵜呑みにしていましたから、
ドフラミンゴは改心したとばかり思っていたのです。

王下七武海となり、政府に協力することで、”必要悪”となることで、
世間に奉仕するのがドフラミンゴの選んだ選択なのだと、そう思っていたのですがね。

だからこそ、当時は弟として彼に協力してやろうという気持ちがありました。
財政難に喘ぐドレスローザに、貿易のパイプを繋いだのは私です。

故にこんな結末を迎えたのは、本当に悲しくてならない。残念です。